


避妊手術を行うことにより、卵巣腫瘍や乳腺腫瘍、子宮蓄膿症などの性ホルモンに関連する病気を予防することができると言われています。
犬の乳腺腫瘍は、50%の確率で悪性の乳腺癌と言われています。
初回発情前に避妊手術をしておくと発症率は1.5%と非常に低くなります。
次いで、初回発情後は8%、2回目以降の発情後だと26%と
徐々に発症率が増えていきますので早期の避妊手術をお勧め致します。
猫の乳腺腫瘍は、80%以上が悪性の乳腺癌と言われています。
猫における乳腺腫瘍の99%は避妊手術をしていない猫で発生しており、
1歳までに手術を行うと発症率を14%へ減らすことができると言われているため、
猫さんも早期の避妊手術をお勧め致します。
デメリットとしては、術後に体のホルモンバランスの変化により肥満になりやすいということがあげられます。
術後は、適切な食事管理と適度な運動で健康管理に気を付けましょう。
また、稀に犬で年をとってからホルモン減少性の尿漏れが生じることがありますが、ホルモン治療により対応することができます。

犬は、平均して年に2回、6カ月おきに発情期を迎えると言われています。
発情出血が認められ約1カ月程つづくことが多いです。
たまに、発情出血が終了し妊娠していないにもかかわらず、乳腺の張りや乳汁の分泌が認められ、食欲や元気がなくなってしまうことがあります。
このような状態を偽妊娠と言います。
この症状は、治療を行わなくても時間経過とともに落ち着く場合がほとんどですが、発情の度に重い偽妊娠の様子が見られる場合は、避妊手術をお勧めします。
猫は、個体差はありますが年2~3回ほどの発情期を迎えます。
猫には犬のような発情出血は認められませんが、その期間中、高い声でずっと鳴いていたり、人や物に盛んに甘える、
もしくは異常に興奮した状態が続く、食欲が落ちるなどの様子の変化が生じます。
このことが原因で体調を崩してしまう子もいますので、
妊娠を希望されていないようでしたらこういった発情行動を回避するためにも避妊手術をお勧めします。

動物が外に出る場合、もしくは室内飼育であっても万が一に脱走してしまった場合など、思いがけず妊娠してしまうことがあります。
特に猫は、交尾の刺激によって排卵するため、かなりの確率で妊娠をしてしまいます。
知らないうちに妊娠してしまい外で出産をすると、地域猫が増加し事故に合って亡くなってしまったり、
または施設にて殺処分されるなど、かわいそうな命が増えることとなります。
妊娠を望まれない場合は避妊手術をしておきましょう。
避妊手術の流れ
※もし、手術当日に食事をとってしまった場合は、お声をかけてください。胃の中に内容物が残ったまま麻酔をかけると、脱力した際に口腔内に胃内容物が逆流し、後に誤嚥性の肺炎を起こす事があります。場合によって、手術日の変更を検討して頂くと良いでしょう。
※手術日よりも前もしくは当日に、麻酔に支障が出るような異常がないかどうかチェック致します。院内の検査機器で行うため数十分で結果が分かります。
※術創を舐め感染を起こさないように、エリザベスカラーやウェアの着用をお願いしています。